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これまでの研究の集大成

統合失調症は「治療」してはいけない

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第2部 驚愕の副作用の真実

 


 3. 発症のメカニズム

 

何が起きるのか

 

●脳の機能

すべての疑問を解くにはまず、脳の仕組みを知らなければならない。解明が進んでいるとはいえ脳科学という分野は他の医療に比べまだまだ未知の部分が多いという大前提の下に話を進めて行きたい。

脳は記憶・知識や言語・運動機能などに関わる認知脳とも呼ばれる大脳皮質、自律神経など制御する生存脳とも呼ばれる小脳、本能や欲望・恐怖など生存に直結する生物的な「感情」を司る感情脳とも呼ばれる脳の中心部にある大脳辺縁系に大きく分けられる。大脳辺縁系とは脳の中心部にある海馬、扁桃体、脳下垂体などの組織の総称で記憶の形成にも重要な役割も果たしている。実際の感情や情動は主に前頭葉の前頭前野が制御していて大脳辺縁系と大脳皮質を繋ぐ役割を果たしているらしい。 脳の神経細胞同士の情報伝達は電気信号とセロトニン、ドーパミンなどの脳内化学物質の分泌によって行われている。

映像や言語のようなデータとして保存される情報は大脳皮質に記憶されるが、それに伴う「感情」(心、社会性、人格、理性、愛情)は全く別のメモリである前頭葉に記憶されている。生まれてから日々起きる喜怒哀楽の「感情の記憶」、その積み重ねがその人の「人格」「性格」を作って行く。あの人は大人だね、とかあいつはガキだと表現する意味は知識の豊富さを意味するものでないことは誰でも知っているはずだ。 たとえば、〈お母さんに抱きしめられた→幸せだった→お母さんを大切な人だと認識する〉〈ある人物に出会った→感動した→人生が百八十度変わった〉というような出来事の記憶と感情の図式が存在する時、もし前頭葉に異常が起きれば、出来事の記憶は間違いなく存在するのに「感情」の部分だけが消えてしまうということが起こりうるということなのだ。 ほとんどの人が考えてもみなかったこのことがすべての前提になる。

「性格が変わる」病気

 性格が変わる副作用は認められていないが、性格が変わる「病気」が存在していてこれは専門家も認めている。「ピック病」、アルツハイマーを含む「認知症」、脳血管性認知症、脳腫瘍、統合失調症などで、これらの病気に重要なヒントがあると思われる。

 ・ピック病

現在はFTD(前頭側頭型認知症)と呼ばれるピック病は若年型認知症の一つで、人格が急変することが大きな特徴である。ネット上で公開されている説明を引用する。

〈例えば万引きや人前での破廉恥行為など、本来なら実行に罪悪感や羞恥心を示す行動を何ら気に掛けず平気に行うようになったり、物事に無頼で無頓着になり、人から注意を受けても耳を傾けることもなくなるなど、いわゆる「自分勝手・我儘」と表現される状態になる。何を訪ねても深く考えず、悩む様子も見られない。決まった食事しか獲ろうとしない、同じ道しか通ろうとしないなど、常に同じ行動を繰り返す「常同行動」も特徴として挙げられる。 進行すると言葉の意味が分からなくなったり、日常食べる料理(例えば味噌汁やカレーライス)等の一般的な名詞さえも理解できなくなり、無言・無動、遂には寝たきりの状態となる。ここまで進行するのには、一般に発症してから十年以上かかると言われている。 アルツハイマー型認知症等とは異なり、初期状態では記憶低下など生活上の障害は軽く、認知症と判断されない事も多い。また症状が進んでも動作についての記憶は保たれ、見当識障害もほとんど見られないため、電車やバスなどに乗っても迷子になる事は少ないとされている。 脳の前頭葉、側頭葉が萎縮することによって起きる症状とされ、その原因はわかっていない。脳全体が萎縮するアルツハイマー型認知症との違いは萎縮する部分が限定されることで、CT・MRIでは前頭葉・側頭葉に目立つ局所性の脳萎縮が認められSPECT・PET(脳血流や脳ブドウ糖代謝をみる検査)では前頭葉・側頭葉の血流あるいは代謝の低下が認められる。〉

 ・アルツハイマー型認知症

通常の老人型認知症やアルツハイマー型認知症は大脳皮質全体が萎縮することによって発症し、認知障害(記憶障害、見当識障害、学習障害、注意障害、空間認知機能や問題解決能力の障害など)が徐々に進行する。同時に性格の変化が起きる事も多く、その特徴はピック病とほぼ同じものであるが、性格の変化だけが起きることはほとんどない。

 ・脳血管性認知症

 脳の血管障害、脳梗塞や脳出血によって起こる認知症で、叔父に起きた脳梗塞の後遺症である。血流阻害によって脳細胞が壊死することによって症状が起き、前頭葉に傷害が残る場合は顕著に性格の変化が現れる場合がある。記憶知識に全く損傷がなく性格だけが「悪い」方向に変わる。

 ・脳腫瘍

突然性格が変貌した人がいて精密検査をしたら脳腫瘍だったという事例が存在する。発症した部位が前頭葉などの場合には脳細胞が圧迫されることによって性格の変化や異常行動を生じる。

 ・統合失調症

統合失調症は以前は精神分裂病と呼ばれていた精神疾患(精神障害)群の名称でピック病や脳血管性認知症などもこの範囲に含まれるという考え方もある。厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」によると〈幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。それに伴って、人々と交流しながら家庭や社会で生活を営む機能が障害を受け(生活の障害)、「感覚・思考・行動が病気のために歪んでいる」ことを自分で振り返って考えることが難しくなりやすい(病識の障害)、という特徴を併せもっています。〉と表現されている。 よくわかりにくいが別のサイトでは「実年齢とはかけ離れた感情の状態となり、幻覚、幻聴や妄想、わけのわからない言動や行動が出現する」とある。 脳の異常やストレスによって発症し、脳内化学物質ドーパミンの分泌異常や前頭葉の萎縮、異常などの原因説があるが定説とはなっていない。

添付文書に記載されている副作用

いかがだろう、「性格を変える」病気は意外に多く存在している。ほとんどの場合「感情」「情動」をコントロールすると言われている前頭葉前頭前野に異常が起きることで発症する共通点があり、その症状は息子の症状によく似ている。理性を欠く言動、自分勝手、我儘、暴力・・・「性格が変わる」という症状は記憶知識には何の損傷も無いまま「感情」だけが幼児や赤ん坊の状態にリセットされた状態、と考えればほとんどの病気の説明がつくことにならないだろうか。

 問題は「副作用」との関連だが、抗不安薬・抗てんかん薬「バルブロ酸ナトリウム」(商品名セレニカ、デパケンなど)の添付文書、重大な副作用欄に次のような記述がある。 〈脳の萎縮、認知症様症状(健忘、見当識障害、言語障害、寡動、知能低下、感情鈍麻等)、パーキンソン様症状(静止時振戦、硬直、姿勢・歩行異常等)(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、これらの症状が発現した例では中止により、ほとんどが一〜二ヵ月で回復している〉 つまり、抗不安薬によって脳が萎縮する事、認知症と同じ症状が起きる事を製薬会社が認めている、ということになる。

さらに抗不安・抗けいれん薬「クロナゼパム製剤」(商品名リボトリール)には〈精神障害を合併している患者に投与すると逆に刺激興奮、錯乱等が現れることがある〉という記述がある。 また、ベンゾジアゼピン系と呼ばれるほとんどの抗不安薬、ほとんどの抗うつ薬、SSRIには〈統合失調症を発症している患者が服用すると錯乱を起こす〉と記載されている。 錯乱には様々な原因があるが精神科薬の副作用としての錯乱は前頭葉や大脳辺縁系の急激な萎縮によるものと考えるべきで、脳細胞が死滅した場合は認知症状の後遺症が残るということになる。 前頭葉と大脳辺縁系の萎縮 薬によって前頭葉や大脳辺縁系が萎縮し、脳細胞の破壊あるいは神経ネットワークが寸断されることによって感情記憶が破壊される、というのが私の考える副作用発症のメカニズムである。

記憶は新しいものが外側に記録されるらしい。事故で脳出血を起こし一年半分の記憶だけが消えたという話を聞いたことがある。認知脳の外側が損傷すればそういうことが起こりうるということだから症状の強弱の説明がつく。 医大の医師は「解離性障害の回復時に退行が起きる」と言ったが、感情が赤ん坊以下の状態にリセットされたことによって解離性障害が起きているのであって、そもそも順番が間違っているのだと思われる。 錯乱は覚醒剤の副作用として知られている。覚醒剤や麻薬、違法ドラッグなども精神科薬と似たような成分を含んでいる。同じように体質によっては感情記憶の喪失が起きると思って間違いないだろう。禁断症状や幻覚などとともに「性格が変わる」後遺症が残ることが知られていて「脳が縮む、腐る」などと表現されている。それが前頭葉の萎縮によって起きる「半永久的な退行」「感情記憶の喪失」によるものだと考えればつじつまが合う。

 この副作用はたった一粒の薬でも致命的な後遺症を残すことになる。連用が中毒を起こすわけでもなく、薬をやめることで禁断症状が出るわけでもない、劇的な効果を持つわけでもないはずの一粒の薬が何年も社会生活を不可能にする重度の後遺症を引き起こすのだ。

萎縮の原因

何故脳の萎縮は起きるのだろう。PTSDの症状は大脳辺縁系の萎縮が原因である事がわかっており、様々な精神疾患が前頭葉や大脳辺縁系の萎縮で起きる事も知られている。その根本的な原因とされるのがストレスホルモンの過剰分泌である。

人がストレスを感じるといくつかの段階を経てアドレナリンなどとともにストレスホルモン「コルチゾール」という化学物質が過剰に分泌される。この反応は生命を維持するためのシステムであるとされるのだが、どういうわけか過剰に分泌されたコルチゾールは前頭葉や大脳辺縁系という「感情」に関わる部位を破壊するのだという。破壊され本来の機能を失った脳が本能や欲望、正常な記憶知識をコントロールすることが出来なくなって起きる症状が「ストレスが性格を変える」病気なのだと考えられ、この現象と同じ事が抗不安薬や抗うつ薬によって引き起こされるのではないだろうかという仮説を立てた。 だが、抗不安薬も抗うつ薬も「不安感を無くす」「ストレスを和らげる」効果がある薬である。ストレスとストレスを無くすはずの薬が同じ現象を起こすはずがないではないか、という誰もが考える矛盾につきあたった。

 

なぜ起きるのか?

 

人為的な統合失調症?

精神科の薬によって感情記憶の喪失が起き「性格が変わった」状態はしばしば「統合失調症」と診断されている。後に取り上げる不可解な凶悪事件もまた統合失調症やそれに類する精神疾患が原因とされていることも多い。 前述したように抗不安薬の副作用欄に「統合失調症を発症しているものが服用すると錯乱を起こす」とある。息子は統合失調症とは診断されていなかったのに錯乱を起こした。息子は統合失調症だったのだろうか?という疑問が沸いてきた。

統合失調症というといわゆる「キチガイ」の類で「性格が変わる」ということとはかけ離れているのではないかと私も思っていたが、調べて見るとどうもそうではないようだ。 統合失調症の症状は副作用の症状とも多くの共通点が存在する。主に次のようなものである。

 ・統合失調症は根本的な脳の異常によって起きるものとストレスによって起きるものがある。副作用を起こした患者が精神科に通院するきっかけである精神疾患もストレスがきっかけで発症する。

・以前は脳内化学物質ドーパミンの異常によって起きるとされていたが最近では前頭葉前頭前野の萎縮・異常によって起きるという理論が主流となりつつある。

発症までの記憶、知識には何の損傷も見られない。

・興奮、人格の変化、凶暴化、わけのわからない言動行動などの症状。

以上のようなことから「性格が変わる」副作用は一般的な統合失調症の症状とはやや異なるものの、人為的な「一種の統合失調症」の範囲と考えることができる。もともと統合失調症は「正気を失う」「人格が破壊される」症状を指し、広い範囲の症状を意味するという説がある。

覚醒剤が統合失調症を引き起こす事実

 Wikipedia「覚醒剤」の項に次のような記述がある。

 「これは脳神経系に作用して心身の働きを一時的に活性化する働きを持つ広義の向精神薬の一種で、ドーパミン作動性に作用するため、中毒症状の覚醒剤精神病は統合失調症に酷似しており・・・」

 向精神薬という言葉が抗うつ薬を示すことはご存じの方も多いだろう。つまり覚醒剤と抗うつ薬は親戚のようなものだということだ。

 また覚醒剤の副作用として「錯乱」「意識障害」が起き、通り魔などの事件に繋がっていることは旧知の事実である。その後長期に渡って「人格障害」が残ること自体は私は知っていたし、そういう人を身近で二人見て来た。息子と症状が同じであることも認識していた。しかしその症状が「統合失調症に酷似」していると認められていることまでは知らなかった。

 統合失調症は範囲の広い「正気を失う」病気の総称であるから統合失調症と診断されてもいいようなものだが、どういうわけか酷似という言葉が使われている。

 この事実から考えれば「抗うつ薬で性格が変わることなどありえない」と断言する精神科医の発言が「嘘八百」であることは簡単にわかるはずだ。

 覚醒剤と抗うつ薬は違うもの、と思う方も多いだろうが同じ「向精神薬」であることは前述のとおりであるし、戦前戦中は実際に興奮剤、不眠剤という「薬」として使用されていた事実がある。戦後軍用のものが一般に出回り副作用や乱用が問題となって取り締まりの対象になった、というだけの話である。実際に成分の似た薬が精神科で処方されていて

 「(覚醒剤の成分の一つである)メチルフェニデートの塩酸塩にあたる塩酸メチルフェニデートは、注意欠陥多動性障害 (ADHD) やナルコレプシーに対して処方される。」

という記述がある。リタリン、コンサータという名前で処方されていて依存性が高く乱用が問題となっている。この薬は覚醒剤に近い作用があり、この薬を処方された妻が「眠らなくなった」事実を目の前で見た。一方で精神的には極端に不安定になり自殺未遂を繰り返したためあわてて服用を止めさせた経緯がある。覚醒剤に比べれば「弱い」ものなのかもしれないが「大差ない」薬が精神科では処方されているのである。

 覚醒剤を使用した人が全員統合失調症の症状を示すわけでは無い。どういう人がどのような理由で発症するのか、何の成分がどのような作用で副作用を起こすのか明確な根拠を示した人はいない。したがって「薬効が弱いから発症しない」という根拠は何もないということになる。

抗不安薬が魚の性格を変える

2013年2月スウェーデンウメオ大学研究チームが抗不安薬オキサゼパムによって魚の性格が変わることを学会で発表した。(AFP)社会性を失い単独行動をとるようになり、食欲が増すというものだ。まさに統合失調症の症状でありこの副作用を証明している研究なのだが、なぜ魚なのか?この研究は生態系に与える影響を懸念してのものであって抗不安薬の副作用を訴えるものではなく、人間にも起きるとは全く言っていない。これも不思議な話である。

 この研究結果についてずっと考え続けてある事実に行きついた。 極限状態の攻撃モード アフリカなどで起こるバッタの大発生をご存じだろうか。同じ種類のバッタであるにもかかわらず通常緑色の体が褐色に変化し獰猛な性格を持つようになることが知られている。そう、魚の性格の変化はこの現象と同じだということだ。 この現象の原因は「ストレス」であることが解明されている。密集した飼育条件で実験すると同じ変化が起きることが確かめられている。魚や他の動物でも強いストレスを与え続けると性格が変わり異常行動を起こすことはすでによく知られた事実である。 この現象は極限状態に置かれた生命が自らを守るために備えられた自己防衛システムだと考えられている。つまり極限状態を生き抜くための攻撃モードなのである。 このシステムは無論人間にも備わっている。わかりやすく表してみよう。

生命の危機 ・・・ストレスを感じる   

 ↓

アラーム    ・・・扁桃体が刺激を受ける

 ↓

攻撃準備  ・・・ アドレナリン分泌 コルチゾール分泌

 ↓            ↓        ↓

攻撃モード  ・・・筋力反応力増強  脳の破壊? 

ストレスを感じると扁桃体が刺激されいくつかのプロセスを経てアドレナリンやストレスホルモン「コルチゾール」といった化学物質が過剰に分泌されることがわかっている。もちろん生命の危機が迫っているわけではないのだが人の体は奥深く刻まれた原始のシステムによってストレスすべてを「生命の危機」と勘違いしてしまうのだ。

 ストレスが前頭葉を萎縮・破壊していくことは間違いない。その結果として人間が生まれてからひとつひとつ蓄えられて人格を形作る「感情」(理性、愛情、社会性)の記憶が一時的、あるいは半永久的に消去され赤ん坊の状態にリセットされる。 よく考えればこの作用がなぜ攻撃モードに必要なのかがわかってくる。極限状態では理性や社会性は行動に支障をきたすのだ。相手が攻撃されたら痛いだろうとか、この人を殺したらこの人の子供はどうやって生きて行くのだろうとか考えていたら自分がやられてしまうことになる。何も考えず自分が生き残るためだけに行動する攻撃モードのためには理性や社会性を「捨てなければならない」のだ。その結果としてバッタや魚の「性格が変わる」のである。社会性を維持するための進化から取り残された民族がいた、ということなるのではないだろうか。 このシステムを理解すればすべてのつじつまが合うことがわかってくる。

極限状態に置かれた時に人は残忍なことを平気で出来るようになると言われている理由はここにある。また、「キレた」状態の時には攻撃的になる。強いストレスが持続すれば半永久的に攻撃的な性格となり敵とみなされる人間を攻撃する「津山事件」など歴史に残るような事件を引き起こすことになる。また、急激な前頭葉の萎縮によって「錯乱」と呼ばれる一時的な「超攻撃モード」も出現する。

この現象が抗不安薬などによって起きる、と考えられるのだがストレスを和らげる薬がなぜストレスと同じ状態を作り出すのだろうか?さらに抗うつ薬はコルチゾールを減らす効果があるとされていてつじつまが合わない。 前述のようにウメオ大学の研究では人に起きるとは言っていないし、添付文書でもその発症率は1%以下とされている。わずか二`キロ先に同じ症例があるほど多発している現実とはかけ離れている。これはどういうことなのだろうか?

統合失調症の誤診

函館市にある五稜郭クリニックの多田直人医師によると、 http://www.kokoro.info/index.html参照

うつ病患者の中に抗うつ薬を処方しても効果がない例があって、統合失調症の治療薬である抗精神病薬を処方したら症状が改善した。そのことに疑問を感じ精密検査した結果、統合失調症と同じ「大脳前頭葉の萎縮」が確認されたということである。つまりうつ病と診断される患者の中にかなりの割合で存在する「抗うつ薬」が効かない例は「統合失調症」を誤診しているというのだ。さらなる研究の結果「適応障害」「注意欠陥・多動性障害」「摂食障害」などの中にも大脳前頭葉の萎縮が見られる「統合失調症」が誤診されている例が存在するというものである。 他にもこれらの病名が「統合失調症」が誤診されているという専門家が数多く存在する。特に思春期、青年期の精神疾患は「統合失調症」である可能性が高いとされる。

思春期の統合失調症とは?潟wルスクリニック

http://www.health.ne.jp/library/schizophrenia/index.html参照

これまでの精神科医療の常識を覆すようなこの事実をどう考えればいいのだろう?うつ病は脳内化学物質「セロトニン」の減少で起きるとされていて、前頭葉の萎縮、異常による「統合失調症」とは原因が異なるとされている。(うつ病もストレスホルモンによる脳の萎縮が原因だという説もある)多くの精神科医はこの事に気づかず「不安」なら抗不安薬、気分が落ち込み気味なら抗うつ薬を安易に処方してしまうのだろう。 ほとんどの抗不安薬・抗うつ薬の添付文書には「脳の萎縮」や「統合失調症の患者が服用すると錯乱を起こす」と記載がある。錯乱は統合失調症の急性期に現れる症状である。要するに息子の発作は「統合失調症」の初期症状だったのにPTSDのようなものと誤診され、「抗不安薬」が処方された結果、副作用によって極端に「悪化」したということなのだ。

抗うつ薬による自殺

抗うつ薬の副作用による「自殺」に関しては新聞や週刊誌などでも取り上げられていて不可解な凶悪事件よりも関連性はよく知られているが、その原因についてはまだ定説とされるものは存在していない。この医師も「自殺」は統合失調症の症状だとして副作用論を「バカげている」と結論付けているが、「統合失調症」が「自殺」を招くという理論はかえって「副作用による自殺」を明確に裏付けてしまった。先に記した添付文書の内容からすれば前頭葉が萎縮している統合失調症の患者に抗うつ薬や抗不安薬を処方すれば悪化する可能性があり、その結果自殺を招くということは否定できない「事実」ということになる。妻が何度も自殺未遂を起こした時、確かに「うつ病が悪化した」というよりは「統合失調症」だったという方が理にかなっている。

これまで抗うつ薬による自殺は「攻撃性が増す」という副作用とともに「脳内化学物質の異常」が原因とする見方が大勢だった。しかしつじつまの合わないその理論はかえって「副作用説」に不信感を抱かせるものだった。また、添付文書の中ではこれらの副作用の発症率は1%以下あるいは不明とされている。多発しているとされる現実とはつじつまが合わないのはなぜなのだろう。

先進国中最も高い日本の自殺率

日本の自殺率は先進国の中で異常に高いと言われている。不景気、暮らしにくさなど社会的背景や国民性が原因ではないかと言われているがどうも合点がいかない。警察庁の統計によると日本の一年間の自殺者は約3万人でそのうち原因がうつ病と統合失調症によるものを合わせると約1万人で実に3分の1を占める。ここで注意しなければならないのはうつ病、統合失調症とされるには精神科の診断が前提となること、つまり精神科の治療を受けながら年間1万人が自殺しているということなのだ。(この数字は役人によって都合よく操作されていて実際の数字は数倍という説もある) 精神科医は自殺の理由について「薬が効くまでに時間がかかるのです」「薬が効かない場合、合わない場合もあります」「もともとの病気が悪化したのです」などと発言している。うつ病の精神科による治療が一般化した1995年頃から極端に数字が高くなっているというデータがあるがこれに関しても「正確に診断されるようになったからにすぎない」と理由付けしている。

よく考えてみよう。「死にたい」と言っていても、病院に行ったということはそれまで「生きていた」のである。その人間が「死なない」ための薬を飲みながら死ぬはずがないのではないか?こんなバカげた言い訳を言う方も言う方だが信じる方も信じる方である。一般市民なら仕方が無いがジャーナリストまで疑いを持たないのだからどうかしてる。これは紛れもなく100%「副作用」である。 もちろん何も治療しなければ自殺に至ってしまう人もいることは間違いない。しかしそれとこれは全く次元の違う問題であるし、副作用による自殺に比べればはるかに少ない数でしかないはずだ。

自殺率の高い国

人口10万人当たりの世界的な自殺率ランキングは次のようになっている。 @ グリーンランド 45.0 A リトアニア 31.5 B 大韓民国 28.1 C カフスタン 26.9 D ガイアナ 26.4 E ベラルーシ 25.3 F ロシア 23.5 G ウクライナ 22.6 H 中華人民共和国 22.23 I スロベニア 21.8 J ハンガリー 21.7 K 日本 21.7 L スリランカ 21.6 M ラトビア 19.9 N セルビア・モンテネグロ 19.5 O フィンランド 18.8 P ベルギー 18.2 Q クロアチア 18.0 R スイス 17.5 S モルドバ 17.4

出典 国の自殺率順リスト - Wikipedia(統計年は同一ではない、東南アジアやアフリカの統計は含まれていない)

全体的に見れば旧社会主義国ならびにカザフスタンや韓国における自殺率が高く、ラテンアメリカ諸国や自殺が宗教的に禁じられているイスラム諸国では自殺率が統計上低い傾向がある。また、国として見れば自殺率が低い国であっても、地域別や民族別に見ると隔たりがある場合もあり、例えば、カナダでは平均の自殺率は10万人あたり12人程度だが、先住民のイヌイットに限れば10万人あたり135人と、カナダ全体の11倍を超えておりグリーンランドやリトアニアを超え1位ということになる。 これらの国はうつ病を含む精神疾患の発症率が高いとされている。うつ病と診断されるためには精神科に行かなければならない。精神科に行けば抗うつ薬や抗不安薬を処方される。つまり、これらの自殺は大半が「副作用」によるものである可能性が高いということになる。 しかし、抗うつ薬の処方が多い欧米の国が入っていない。これが「副作用ではない」と言い張る精神科医の論拠ともなっているがことはそんな単純なものではないようだ。

世界地図を広げてこれらの国を塗りつぶしてみよう。驚くことにユーラシア大陸を中心とする一つの塊となっていることに気が付く。 これはもしかしたら民族的な遺伝特性に関係するのではないだろうか。

タミフルによる異常行動

 多田直人医師はインフルエンザ治療薬タミフルによる異常行動、自殺も「統合失調症」の症状だとしている。 タミフルを服用した十代の青年を中心に突然恐怖におびえて遁走したり窓から飛び降りたりするという異常行動の報告が多数あり、厚生労働省は十代の青年に対する処方を基本的に禁止する措置をとった。しかし欧米ではこのような事例はほとんどなく関連性はうやむやになったままである。症例のほとんどが「十代の男性」という特徴がある。 タミフルによる異常行動については早くから私も注目していて同じ遺伝特性を持っている人間に起きるのではないかと考えていた。

風土病「アモック」

2013年にグアムで起きた無差別殺傷事件は東南アジア特有の風土病「アモック」ではないかという噂が飛び交った。いくら何でもそれは無いだろうと思って調べてみると実に興味深い話に行き当たった。 マレーシア、インドネシア、フィリピンなどの近代化される以前の部族社会では、アモックと呼ばれる人を無差別に殺傷する事件が起きていたという。 何か悲しい事があったり、侮辱を受けた後、部族の人との接触を避け、引きこもり、暗い目をして、物思いにふけっているような状態になる。そして、突然武器を手に飛び出し、遭遇した人をかたっぱしから殺傷してしまう。本人が自殺するか殺されるか取り押さえられるまで続き、正常に戻った時には人を殺傷していた時の記憶を失っているというものだ。 特徴として次のような点があげられる。

・ほとんど青年期の男性に限られる。

・アモックを起こす前に、辛かったり、体面を失うような出来事があり、周囲から引きこもり、うつ状態になる事が多い。

・取り押さえられてアモックが終わった場合、虚脱状態になり、後で正常にもどった時、アモックが起きていた時の記憶が失われている事が多い。

 これらの特徴から精神科医や専門家は極限にさらされた精神が解離性障害や錯乱状態を引き起こしたのではないかと考えているようだ。津山事件や秋葉原事件などと特徴が一致する凶悪事件や副作用による錯乱状態とほぼ同じこの症状がなぜ東南アジア特有の「風土病」とされているのだろう?さらに調べを進めて行くと朝鮮民族にも「火病」と呼ばれる似たような精神疾患の「風土病」が存在していることがわかった。これはどういうことなのだろう?タミフルの異常行動と同じ「青年期の男性」に発症するという特徴は何を示すのだろうか?

 

酒乱になる人ならない人

酒乱と副作用の共通点

 これらの疑問を考えて行く中で眞先敏弘著「酒乱になる人、ならない人」(新潮社)に出会った。 眞先敏弘氏はアルコール依存症を専門とする国立療養所久里浜病院神経内科医長を務められた方で、現在は帝京科学大学教授である。

この本にたどり着いたのは副作用=統合失調症=酒乱ではないかと考えたからだ。妻がストレスによっておかしくなる症状と、飲みすぎておかしくなる時の症状、薬を飲んだ時の症状が同じように思えたのがきっかけである。アルコールが脳を萎縮させるという論文も見つけて関連性を疑っていた。

酒乱とは普段おとなしい人が酒を飲むと性格が変わり暴力をふるったり犯罪に繋がったりするものである。酩酊という範囲を超えたものが酒乱で医学的には複雑酩酊、病的酩酊と呼ばれている。オーストラリアの先住民アボリジニはこの症状が極端に現れやすく法律で飲酒が禁止されているらしい。ということは何らか民族的な遺伝特性があって酒乱になる人ならない人の差ができるのではないかという疑問が芽生えた。 この本の中で眞先教授はADH(アルコール脱水素酵素)多型、ALDH(アセトアルデヒド脱水素酵素)多型と呼ばれる分解酵素に欠損のある遺伝特性がアルコール及びその二次生成物アセトアルデヒドの解毒作用に関係していて酒乱になりやすい特性も下戸の特性もこの組み合わせによって決まるとしている。この遺伝体質が副作用と関連するのではとも考えていたのだがどうもつじつまが合わない。「酒乱になりやすい人」は特定しているものの、必ず酒乱になるというわけではなく、なぜ酒乱が起きるのかということに関しても「よくわかっていない」と結論付けている。また振り出しに戻ってしまったかと思われたのだが、この本には「参考まで」にということで脳の機能やストレス、アルコールの脳への影響などについての記述がある。アルコールに関連して切り離せない分野だからということだろうが、何とここにすべての答えが記されていたのだから犬も歩けば何とかである。

エタノールの抗不安作用

エタノール(アルコール)が脳の活動を抑制する(鎮静作用)脳内化学物質GABAの活動を促進し、脳の活動を活発にする(興奮作用)NMDAの活動を抑制する働きがあることが記載されており、この作用は抗不安薬、睡眠薬の機序と同じものとされている。つまりエタノールには酩酊作用だけでなく抗不安・睡眠誘導作用があるということで、ストレスからの飲酒という行為には理由があった事がわかる。この段階でアルコールと抗不安薬などが脳に及ぼす影響が共通していることが分かる。

COMT(catechol-O-methyltransferasc)遺伝子多型

 私はストレスに弱く精神疾患を発症しやすい遺伝特性が存在するという仮説を立てていて、その特性が副作用の発症と密接な関連があると考えてきた。それがCOMTと呼ばれる遺伝子の多型によるものであることが2003年にサイエンス誌に報告されていたということなのだ。ミシガン大学のJon-Kar Zubieta教授の論文で、脳の重要な神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンを合成する役目を果たしているといわれるこの遺伝子の多型には、不活性型を2つ持つタイプと活性型・不活性型を一つづつ持つタイプ、活性型を2つ持つタイプがあってストレス耐性が違うという。不活性型を持つタイプの人間は「痛み」を感じやすく感受性が強いということなのだ。論文の要約が

 http://www.shiga-med.ac.jp/~koyama/analgesia/react-sensitivity.html

に公開されている。 この遺伝特性は日本では多く存在していると考えられるが特に東北北西部(新潟、山形、秋田、青森、岩手周辺)の肌の白い遺伝タイプをルーツとする人に多いのではないかと思っている。妻やその父方の家系はこの系統に属していると思われる。この地域は日本で一番自殺率が高い地域である。冬が長く寒いからなどと言われてきた理由が遺伝特性によるものだった可能性が高い。高知、宮崎なども自殺率が高いので別の遺伝ルートも考えられる。 この遺伝特性はADDやADHDなどの発達障害と関連がある可能性が高いと私は考えていて、その発症率から考えれば不活性型を持つタイプは5〜10%程度存在している可能性がある。 世界的に見ればユーラシア大陸のモンゴロイドを中心に東はアラスカ・グリーンランドなどのイヌイット、西は東ヨーロッパのスラブ人、東南アジア、オーストラリアのアボリジニまで分布していると考えられる。西ヨーロッパを中心とした純粋なコーカソイド、アフリカ大陸を中心としたネグロイド、アメリカインディアンにはほとんど存在しないと思われる。どういうわけか「酒乱になりやすい遺伝特性」と分布が重なるように思えるから何らかの関連があるのかもしれない。

この遺伝特性を持つ人はストレスに弱く精神疾患を発症しやすいということになる。それはストレスによって生じる特定の分泌物質が何らかの機序で前頭葉、大脳辺縁系などを破壊するからだと考えられる。

神経細胞のアポトーシス

赤ちゃんにとってエタノールが如何に有害であるかという項目の中で実験例が紹介されている。生後7日目のラットにエタノールを投与したところ、前脳(将来大脳になる部分)の多数の神経細胞(一匹当たり平均約1000万個)がアポトーシス(神経細胞の自殺)を起こしていたというデータが2000年の「サイエンス誌」に掲載された。これはエタノールの毒性によるものでエタノールがNMDA受容体の働きを阻害することと関連しているらしい。特に神経細胞がシナプスを形成して脳のネットワークを作っていこうとしている胎児期にこの作用が起こりやすいとされている。   シナプスを形成する活動が盛んな思春期にもこの作用が起こることが指摘されていて未成年者のアルコール依存症(ヤングアルコホリック)の特徴の中で人格障害、うつ病、不安障害などの精神障害が多く、特に女性のヤングアルコホリックは70%に摂食障害、中でも過食症を併発しているとのこと。これらの症状がストレスによって起こる精神疾患と同じものであることがよくわかる。 お分かりいただけるだろうか。ストレスに弱い遺伝特性に生じる精神疾患の特徴がアルコールによって生じるヤングアルコホリックの特徴と同じであること、さらに「複雑酩酊」「病的酩酊」も酩酊状態を除けば同じものであること。アルコールと抗不安薬、睡眠薬のGABA、NMDAに対する効果が同じであること、神経細胞のアポトーシスがこれらの症状を起こすと考えればつじつまが合うということである。どういうわけか眞先氏はこれらの明確な点を記載しながらそれを線で結ぼうとしていないのが不思議である。

 強いストレスによってストレスホルモンのひとつであるドーパミンやノルアドレナリンの前駆体L-ドーパが大量に分泌される。L-ドーパは言ってみれば自前の覚醒剤であり、ドーパミンやノルアドレナリンに分解されることによって効果を発揮する。COMT遺伝子多型では分解されずに脳に滞留し神経細胞のアポトーシスに繋がると考えられる。 すなわちCOMT遺伝子多型の人間はたとえ大人であってもストレスや抗不安作用を持つ物質(アルコール、睡眠薬、抗不安薬)や覚醒作用を持つ物質(抗うつ薬、麻薬、覚醒剤)が脳に滞留することによって多量の神経細胞のアポトーシスを起こし、一時的、あるいは半永久的に前頭葉の機能が低下するということである。このアポトーシスでは記憶知識や言語・運動機能などの異常は見られないことから「人格、理性」を司る前頭葉に限定して起こると考えられる。 これは正気を失って別の人格に支配される「一種の統合失調症」であり、ストレスが原因で発症する統合失調症も同じ理屈で起きると考えるべきである。本来ストレスによって引き起こされる現象がアルコールや抗不安作用、覚醒作用を持つ物質でも起きるということなのだ。

神経細胞のアポトーシスに関する記述で「エタノールは成人の脳にある成熟した細胞を殺す作用は比較的弱いのですが・・・」という文がある。比較的弱いということは「若干は起こる」ということになる。この若干起きるアポトーシスがドーパミンやノルアドレナリンの分泌と合わせてストレスの「感情記憶」を消し去ることで抗不安効果をもたらすのではないか?これがCOMT遺伝子多型以外の人間に対する抗不安薬の本来の機序なのではないかとも私は考えている。

結論としてCOMT遺伝子多型の人間に対しては睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬は「人格を破壊する劇薬」ということになる。この症状は理性、社会性、人格、愛情を奪い去り、性格を変え、自殺、興奮、暴力、犯罪、統合失調症を引き起こす。日本における精神疾患の患者はうつ病も含め、COMT遺伝子多型の人間に前頭葉の神経細胞アポトーシスによって引き起こされた「統合失調症」が大半であって欧米における「うつ病」と同じものはごくわずかということだ。精神科医は欧米からそのまま持ち込んだ「絶対にしてはいけない」治療を100年近く何の疑問も抱かずに続けてきたことになる。

COMT遺伝子多型でない人間でも思春期などは危険だということは、「発達障害が薬で治ります」と宣伝し続けてきた製薬会社と精神科医の姿勢は「とんでもない間違い」だったことになり、欧米で18才以下への処方を禁じている薬があることには一定の妥当性があるということだ。日本では最近になって「効果が無いから」という理由で抗うつ薬の一部を18歳以下には処方しないよう「勧める」方針に変わったがそれまで何の対策も取ってこなかった。未成年者に「酒乱」が起きる何十倍、何百倍ものアルコールを与えるのと同じことなのだからその異常性は容易に想像できるはずだ。

COMT遺伝子多型でない人間でも分解容量を超えた抗不安物質」「覚醒物質」が投与されれば一時的な症状を起こす可能性も高い。うつ症状を示す患者はそれだけで十分死に直結する。

確かにこの事実は発表されてまだ日が浅いから知らなくても仕方ないが、目の前でこの副作用が起きるのを見ながら、多くの患者が副作用であることを訴えていながら「もともとの精神疾患が悪化した」と言ってはばからなかった精神科医を私は同じ人間とは思えない。日本だけでもこの副作用によって年間1万人が自殺し、多くの人間の人生が奪われている。何の罪も無い人間を不可解な凶悪犯罪に駆り立て何の罪も無い人の命を奪っていく。これは戦争・紛争を除けば最大の「犯罪」である。

 

精神科医療の過ち

診断の難しさ

それではなぜこれまでこの症状が副作用と診断されることがなかったのだろうか。そんなに多発しているのなら大問題になっているはずだろう、と誰もが思うことだろう。 それは感情というものに対する大きな「勘違い」が原因だと思われる。

前述のように人格を形成する「感情」というものが物理的な「記憶」と関連して記録されているものではなく、全く別のメモリに記録された独立したものだという概念を精神科医や専門家を含め百人中百人が持っていない。また、「半久的な副作用」が存在するという事実も多くの方の想定を超えている。 一粒の薬を飲んで明日には全く違う人格の自分が存在し、自分では全くそのことに全く気が付かない・・・ということが起きることを想像できる人はいない。それがこの副作用の盲点である。

言語や一般記憶には一切欠落は見られず知識も全て年齢並で会話は普通に成り立つ。善悪の判断も知識としては持っていて、第三者が異常を判断できる材料はほとんどない。 その度合い(何歳まで戻るか)は薬の種類、量、そして患者の年齢、性別、多型のタイプによって大きく異なると思われる。息子のように赤ん坊まで戻ってしまう例はごくわずかで、多くは一度目の薬の後のように幼児に戻る可能性が高い。脳波やPETなどの精密な検査をすれば立証できると思われるが、そうでなければ何をどう判断して「性格が変わった」「感情が幼児になった」とするのか基準もなければ設けようもない。それは家族や身近な人にしかわからない変化でしかなく、わずかな時間しか接しない、以前の様子を知ることもない医師にはわかるはずもないから「一時的な症状」「副作用ではない」「気のせい」「そんな人はどこにでもいる」「もともとの発達障害」「別の精神病」「離脱症状」などと言って家族の訴えを認めることがないのはある意味では仕方のないことなのかもしれない。

 家族には関連を立証する手段はなく泣き寝入りを強いられることになる。何の知識も無い多くの人は「そんなことあり得ない」「都合のいいことだけ並べて他人に責任をなすりつけようとしている」としか見ることができないから世論は精神科医の味方でしかなく、広告主の意向と世論を気にするマスコミやジャーナリストも凶悪犯罪者を擁護する方向になりかねない副作用論に関わることに二の足を踏んできた。

もともとの精神疾患が悪化した?

COMT遺伝子多型の人間は基本的にストレスに弱く精神疾患を起こしやすい傾向があること自体は間違いない。しかし自然発生の症状がアモックや顕著な統合失調症のように重症化することが頻繁に起きるわけではない。 精神科医はもともとの精神疾患が悪化したと言ってはばからないが、がんなどの病気と違って必ずしも進行していくものではないのだから本来なら精神科の治療を受けながら悪化することなどあるはずが無いし、息子の場合も近所の事例でも間違いなく「薬を飲んだ直後」に発症しているのである。 もし、もともとの精神疾患が悪化したというならどこまでも悪化し続けるはずであろう。薬を止めたからといって回復に向かうはずが無い。息子も近所の例でもそれ以上悪化することはなく、そこから長い時間をかけて回復していることの説明がつかないではないか。 ストレスによる統合失調症は自然に発症し悪化する。そこには「強いストレスの持続」という原因があるはずであり、はっきり言って「うつ病」や「登校拒否」「強迫性障害」「不安障害」というような比較的「軽い」精神疾患が短期間に猟奇的な凶悪事件を起こすまでに「悪化する」こと自体おかしすぎるではないか。

PTSD治療指針変更の怪

 2013年9月PTSDの治療指針が「初めて」作られたと報道があった。日本トラウマティック・ストレス学会が作ったというその指針の内容は呼吸法などできるだけ「薬を使わない」対処を勧め、薬の使用は「慎重」に行うこと。抗不安薬は「効果が無い」ので使用せず、SSRIを長期にわたって使うと発作を予防できる、というような内容である。

 「抗不安薬は効果が無い」ということを学会が認めたこと自体驚きである。これまでPTSDには抗不安薬が有効と積極的に使用を勧めていたはずの学会が「効果が無いから使うな」というのはただ事ではない。効果が無いだけなら処方を続けた方が製薬会社に貢献できる。製薬会社と癒着している精神科医療は自分たちと製薬会社の利益のために世界的に見てもまれな大量の薬を処方してきた。うつ病も薬で治ります、ひきこもりも、登校拒否も、発達障害さえ薬で治ります、と宣伝してきた業界が薬を使わない治療を勧めるというのはおかしすぎる。

 PTSDは大脳辺縁系の海馬が萎縮することで起きるとされている。先に紹介した多田医師の見解によればPTSDも統合失調症の一症状の可能性が高い。事実PTSDで通院し始めた患者が統合失調症に悪化する事例が多数存在している。息子の場合もPTSDとほぼ同じような症状に抗不安薬を処方され統合失調症と診断することも可能な症状に悪化した。 副作用であることは認めないが悪化する確率があまりにも高いので事実が明らかななる前に幕引きを図ったと思えてならない。勘繰りすぎ?だとはとても思えない。

統合失調症が「感情の幼児化」である理由

 感情だけが赤ん坊になった状態が「統合失調症」だということが理解できない方も多いだろう。よくわかる事例が「智恵子抄」である。

詩人高村光太郎の妻智恵子はストレスによって精神に異常をきたし、睡眠薬自殺を図った後に統合失調症となったとされる。私は睡眠薬の副作用によるものだと考えているが、その症状が「智恵子抄」の中に詳細に記されている。まるで子供のようなその様子がよくわかる。もちろん美化されているからその陰にあった暴力や悲惨な状況は書かれていないが。

それでもわからない方は赤ん坊や幼児をよく観察してみよう。ご機嫌よく笑っていたかと思うと火のついたように泣きだす。奇声をあげたり、面白くないことがあるところげまわって暴れたり、暴力をふるったり、駄々をこねたり、虫を殺したり、動物をいじめたり・・・善悪の判断ができず、感情のコントロールができない、こういうことをしてはいけませんよと注意しても悪いことをしてしまう・・・子供だから許されるがこれらのことを大人がやったら「統合失調症」なのである。

おわかりいただけただろうか。 精神科医はこの重要なことに誰も気付かず、いまだにドーパミンの異常で起きると言っている方も少なくない。

抗うつ薬でなぜ自殺が起きるのか

 そもそも統合失調症(感情記憶の喪失)がなぜ自殺につながるのかと思われる方も多いだろう。 大切な前提はうつ病の診断基準である。ただ気持ちが落ち込んでとか、いじめられる恐怖で学校に行けないというようなことだけではうつ病とは診断されない。実は「死にたい」と口に出す必要があるのだ。(もっと簡単に薬を出す医者もいる) 前述のように統合失調症は「感情が幼児化する一方で記憶知識には全く損傷がないという現象である。 死にたいと考えても「死なない」理由は2つある。自分が死んだら家族はどうなるだろうか、あるいはお父さんお母さんは悲しむだろう、というような周りの人間に対する配慮と死への恐怖である。いずれも記憶や知識の範疇ではなく「感情」である。感情の幼児化によってこの「死なない」理由が消滅してしまうのである。赤ん坊や幼児は死を理解することが出来ないから死ぬことへの恐怖は無い。 しかし、自分が死ぬことを考えたことは記憶知識の範囲だから残っている。ビルから飛び降りようとしたり、首を吊ったりするシーンを思い浮かべたことは残っているのだ。 今自分が置かれていたストレスの感情は消されているから気分がいいとも答える。しかしまた新たなストレスが加わる時、それが死ぬ理由にならないような些細なことでも、子供がいじけるような感情で簡単に死を選ぶことになるのだ。 もちろんこれは自分の悲しみを他人のせいにできない、自分なんかいない方がいいというやさしい人間が選ぶ手段で、他人のせいだと考える性格の人は不可解な凶悪犯罪に向かっていくことになる。

統合失調症治療の誤り

統合失調症は以前は精神分裂病と呼ばれた精神病である。幻聴や幻想を特徴とし脳内化学物質ドーパミンの過剰分泌によって起こるとされ、抗精神病薬というドーパミン阻害剤による治療が行われてきた。 しかし、日本で多く発症するストレスが原因の統合失調症は全く違う原理による違う病気である。この原因が前頭葉の萎縮、異常であり、さらに神経細胞のアポトーシス(自殺現象)によるものであることがわかってきている。 また、発達障害、適応障害、うつ病などのほとんどが前頭葉の萎縮が見られる「統合失調症」が誤診されていることもわかっているが、発達障害の患者はドーパミン分泌不足が見られるというのだから全く違うものであることがよくわかるだろう。

ストレスによる統合失調症の発症は日本人に多いCOMT遺伝子多型と呼ばれるストレスに弱い遺伝特性が関連している。この遺伝特性を持つ人はドーパミンやノルアドレナリンの分泌機能に問題がある。本来ドーパミンやノルアドレナリンに分解されるはずの「抗不安物質」が分解されず前頭葉を破壊してしまうのである。 日本における統合失調症のほとんどを占めるこの症状にも精神科医はドーパミン阻害剤を処方してきた。もともとドーパミン不足の患者にドーパミン阻害剤を処方してよくなると思うだろうか?小学生にでもわかりそうなこんな「間違い」を精神科医は長い間続けてきたのだ。

ドーパミン阻害剤は脳の異常な活性・興奮状態を抑える、言ってみれば「ボー」とさせる薬である。統合失調症は前頭葉の神経細胞が壊死し「感情」(理性、人格、社会性、愛情)だけが赤ん坊の状態にリセットされることによって症状が起きる。この治療法はただ一つ、「育てること」、赤ん坊を育てるようにストレスの少ない環境で愛情を持って育むことだけである。薬は一時的には症状を抑えることはできるかもしれないが、治療という意味では何の効果も無いばかりかさらなる脳の萎縮、破壊を招き症状を悪化させる可能性が大きい。 ボーとしている間は「感情」は成長しない。したがって薬を飲んでいる間は統合失調症は治ることがない。一生おとなしくさせておきたいのなら別だが、治すための方法は一つしかない。しかし、これには大きな困難が伴う。体も知識も大人で「感情」だけが赤ん坊というとてもやっかいな相手を、とてつもなく長い時間許し、愛情を向けて待たなければならない。性格によっては命の危険もある。家族が負担するにはあまりにも重すぎるものだから療養施設の設置が望まれる。

うつ病や適応障害、発達障害を悪化させ、統合失調症の治療も全く的が外れていた。精神科医療はいったい何のために存在していたのか、精神科医はまともな「治療」もせずに貧乏人から金を巻き上げていたのだ。こんなことが許されるのだろうか。

抗てんかん薬の危険性

2012年に京都祇園で起きた暴走事件は抗てんかん薬を服用して起きた。抗てんかん薬は抗不安薬と共通するものが多く同じ副作用が存在する。この事件では薬の影響が疑われ血液検査の必要性が取りざたされたが、半永久的な副作用が起きている可能性が高く、その時点での血中濃度だけでは関連はわからない。

●検査による証明

「精神鑑定」でこの副作用を診断することは難しいが、精密な脳の検査を行えばその存在を証明できる。誰もそれを行おうとしなかっただけのことである。

 MRI

前頭葉、大脳辺縁系の顕著な萎縮はMRIによって確認できる可能性が高いが精密かつ詳細な検査が必要だと思われる。

脳波

詳しくはわからないが赤ん坊や幼児特有の脳波の特徴があるらしい。ある程度時間が経っても脳波の検査によって症状を確認できるはずだが、比較的軽い症状では難しい可能性もある。

 PET

PET検査は脳の活動の様子を詳細に確認できる検査で、前頭葉や大脳辺縁系の活動レベルが低下していることを確認できるはずである。この検査でも比較的軽い症状は見落とされる可能性もある。

 その他の方法

残念ながら詳しいことは分からないが前頭葉に起きるアポトーシスを観測する方法があるはずだと思われる。他にも感情の変化を観測する方法があると思われる。

 

回復の過程

回復ではなく成長

 どのような過程を経て回復して行くのか。その記録は息子の記録以外にはほぼ存在しない。厳密に言えば回復ではなく「成長」である。一度消去された感情記憶は二度と元に戻らない。要するにそれまでの人格は一度死んでしまったことになる。その時点での環境の影響を受けて、赤ん坊が育つような過程を経て再び成長していくのである。それはとてつもなく長い時間を要することになり、形成される人格は似てはいても以前と同じものとは限らない。

成長のスピード

息子の再成長の様子を見る限り赤ん坊が育つのに比べれば数倍早いようには思われる。脳細胞を再生する能力が赤ん坊よりは早いのだろう。とはいってもどうしようもない幼児期を抜け出すまで三年かかった。それはもう一度子育てをやり直さなければならないとてつもない長い時間だった。 赤ん坊から五歳程度までは通常より成長が速いように思われるが、それから先は通常のスピードになってしまうようだ。雅子妃が公務に復帰できるようになるまで十年という歳月が必要だったのは仕方のないことなのだ。

再成長時の注意点

再成長時には赤ん坊が育つようにストレスの無い、安心できる、愛情に満ちた環境が必要であるが、家族や周囲の人間はこの副作用が理解できず疎外や叱責の対象となってしまう。記憶や知識、そして体も幼児化するのならまだ良いのだが何の異常もないそれらが正常な感情の発達を阻害することになる。成人の場合はさらに困難な状況が訪れ、そういったストレスが歪んだ性格を作り出し、固定してしまう可能性がある。 この副作用が起きると精神科医は「もともとの精神疾患が悪化した」と言ったり、別の病名をつけたりする。異常な興奮や暴力を抑えたりするために安定剤や抗精神病薬を使用することが多いらしいが、これらの症状の原因は感情の「幼児化」であって一刻も早く「成長」を促さなければ根本的には解決しない。安定剤や抗精神病薬は脳の活動を抑える薬であるから効いている間は症状を抑えられるかも知れないが「感情の成長」も抑えられてしまう。また、薬によっては前頭葉の更なる萎縮を引き起こしてしまう物もあり、このイタチごっこをしている間に「幼児」の感情しか持たない大人が形成されてしまうことになる。大人になった段階で薬を使用していなくても社会生活に適合できず犯罪などの原因にもなりかねない「異常性格者」が生まれてしまう可能性が高くなってしまう。従ってこの副作用に薬の使用は禁物ということである。 家族が理解して再成長を促せればそれに越したことは無いが負担と心労は半端なものではなく生命の危険もある。薬を使わず、安全で安心出来る療養施設を作ることが望まれる。

 

副作用の発症を防ぐには

精神疾患を発症している患者

 PTSD、強迫性障害、神経発作、解離性障害、神経発作など前頭葉や大脳辺縁系の萎縮、異常によると思われる精神疾患を発症している患者への抗不安薬、抗うつ薬の処方は危険である。顕著な統合失調症へ悪化する確率は極めて高い。

COMT遺伝子多型の患者

COMT遺伝子多型の患者に対するこれらの薬の使用は全面的に禁止すべきである。この遺伝特性を調べる検査がどのようなものなのかはわからないが検査を義務づけるべきである。 いわゆる「酒乱」の人、キレやすい人、ストレスに弱い人、薬物アレルギーのある人は極めて危険だと考えるべきだ。

アレルギー性疾患の患者

アレルギー性疾患との直接の関連はよくわかっていないが、薬物アレルギーは関係が深いと思われる。他にも花粉、食物、化学物質、金属などのアレルギー、アトピー性皮膚炎などは関連がある可能性がある。

薬物に対する注意

シンナー、薬物、覚せい剤、ハーブなどはただでさえ危険性が高いがCOMT多型の人間にとってはとんでもなく危険な「劇薬」となる。単に依存症や興奮などといった問題ではなく第三者を巻き込む凶悪事件に発展する危険性がとても高い。欧米での問題に比較にならない危険性が存在していることを公表し、取り締まりを強化するべきだ。

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